銃後県民の歌
汽車の窓から手を振って
後はよろしく頼むぞと
笑って発ったつはものの
その一言が今もなほ
留守を預かる胸を打つ
朝霧晴れた野に山に
銃とる意気のひと鍬を
うてば応へる山並みの
仰ぐ鎮守の森かげに
武運を祈る日の御旗
工場の汽笛聞きながら
昼の休みのひと時に
綴る感謝の慰問文
拙いけれど真心を
込めて封じた筆の跡
轟く響く黒潮で
鍛へた腕の力をば
今こそ試せ血は燃へて
結ぶ鉢巻き逞しく
護る銃後の長期戦
北日本の空澄みて
百六十万福島の
県民一致殉国の
期待に懸けし総襷
大東洋の夜は明ける
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銃後県民の歌 福島民報社公募作品
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