陸軍曹長 宮光男
男8、女2の10人兄弟の長男。
宮家は代々続く広島の武士の血筋。
奥さんは栞さんという。血筋を絶やすまいという親同士の取り決めで結婚が決まった。特攻隊を拝命した後の帰郷では、軍服姿と制服姿の顔合わせが行われた。これが仮祝言のことだろう。
栞さんはその日ご両親と宮家に一泊 。
のちに神州隊の原町出陣まで料亭「魚本」内での同棲生活が始まる。
右も左も分からない16歳の女学生であったから、両親が姉を同行させた。姉も魚本に住んだ。
高田少尉も同棲していた。着物を着た、年上の美人な方だったという。
見送りは原町紡織工場の広い敷地で行われた。飛行場に行ったことはない。
少女時代の、短い夢のような話でした。
彼のことはよく覚えていないんです。ただ長男らしく優しかった。私のことは「しおり」と呼んでいました・・・と回想する。
※尾翼マークを描いた藤田魁先生は、町中の者が仕事をなげうって見送りしたというが・・・
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※隊員に祝福されて仮祝言を挙げた、という認識であったが、栞さんご本人は記憶にないという。高田少尉の仮祝言も知らないという。しかし確実に同棲はしていたようだ。
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神州隊 宮光男曹長
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