メディアは言葉一つで人の感情を感動させたり、悲しませたりできる。
夏の特攻隊関連記事やテレビ番組の特集で、「原町飛行場から出撃していった特攻隊」というような表記が見受けられるが、関係者が言うには「出撃」と「出陣」は厳然たる違いがあるとの事である。
出撃は、文字どおり攻撃に出発することであって、先ほどの記述では原町から攻撃に向かったという意味で捉えられかねない。付随する悲壮感や感動などは出撃という言葉によって操作されているのではないか。
出陣とは、訓練を終えて出撃するための前進基地への移動をいう。だから、原町を発つ前日、突然特攻隊編成を知らされ、1機だけ原町を出た久木元少尉は出陣には当たらないのではないかと思う。「特攻隊進襲隊指揮下に入るため現地に追及した」という言い方が妥当かと思う。
だから、先日江戸川記者がもっともらしく書いた「原町を出撃したのは神州隊と国華隊だけ」という記述も、ウソである。原町から「出撃」した部隊などどこにも無いのだ。本土決戦で原町から出撃した隊がなかったことは喜ぶべきではないだろうか。
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ちょっと思い出したので書いておく。先日放送された(俺は見ていない)FCTの「ゴジてれchu」の番組宣伝文句に【原町飛行場から飛び立つ特攻隊を見送り続けた女性】なる文があったが、これはフジテレビ「私たちに戦争を教えてください」と同じく慰霊祭事務局のYさんを取材したものである。彼女は、国華隊の見送りには行ったが神州隊の見送りは母親だけ言ったので、これは事実と異なるのではないかと思われる。久木元少尉は先に書いたような理由で特攻隊員としての扱いとは異なる。
とりあえず見たいので録画した人はDVDください(^O^)
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出撃と出陣
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