『と号用爆弾及と号機爆装の栞』
「と号機」すなわち特攻機用の爆弾装備に関する解説書だ。
一般に、現物を手にする事が出来るのは将校用の第三部だけ。内容はそれほど濃くもないし、図面もない。
たしか、第一部は整備員用、第二部は忘れた。
対象者の立場によって、内容にフィルターが掛けられているものと思う。第一部が一番細部まで解説されているに違いない。
元少年飛行兵による団体の冊子「翔飛」のごく初期のもので、資料館建設に関わる資料収集な進捗に関する記事があった。その資料リストに
『と号用爆弾及と号機爆装の栞』1~3(宇佐美)とあった。第180振武隊、宇佐美輝夫伍長の所持品だ。喉から手が出るほど読みたい資料。会津地方に実家があり、戦友が遺品を届けたという戦後の記録もあるが、当然存命ではないだろうし、資料館も実際に建設され、寄贈されたのかなど、その行き先を探すのは雲を掴むようなもので、どこにも該当がなく今に至る。もし日の目を見れば、特攻機の爆装に関する貴重な資料となるだろう。
なお、「と号機」はよく「ト号機」として四式重爆撃機「飛龍」特攻機改修型を示す方が多いのですが、体当たり攻撃として運用する飛行機は全て「と号機」です。お間違えなく。